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塗床工事

塗床工事とは、コンクリート下地の床面に合成樹脂や無機材料を用いて塗膜を形成し、耐久性・耐摩耗性・耐薬品性・防塵性などの機能を付与する床仕上げ工事です。

工場・倉庫・厨房・駐車場など、過酷な使用環境が求められる施設を中心に幅広く採用されています。

塗膜の厚みはおおよそ1mm〜数mm程度で、コンクリートを保護しながら、衛生面や安全性の向上にも貢献します。

塗床の主な特徴とメリット

耐久性・耐衝撃性
重量物や機械の移動にも耐えられる高い強度を有します(特に厚膜タイプ)。
耐薬品性
油脂や薬品の浸透・腐食からコンクリートを保護します。
防塵性
粉塵の発生を抑え、クリーンな作業環境を維持します。
清掃性・衛生面
汚れが付着しにくく、清掃が容易です。抗菌仕様は食品工場にも適しています。
安全性・意匠性
防滑仕上げが可能で、用途に応じたカラー設計にも対応できます。

主な塗床の種類

種類 特徴 適した場所
エポキシ
樹系
高強度、接着力が強い、耐薬品性が高い 一般工場、倉庫、機械室
ウレタン
樹脂系
耐衝撃・耐摩耗性に優れる 自動車整備工場、機械工場
水性硬質
ウレタン系
耐熱水・熱衝撃・耐摩耗性、抗菌 食品工場、厨房
無機系 コンクリートと一体化、重荷重の倉庫、不燃性、高耐摩耗 重荷重の倉庫、工場

塗床と防塵塗装の違い

防塵塗装は、膜厚が約0.1〜0.3mm程度の薄膜塗装で、主に粉塵の発生防止を目的とした施工です。
一方、塗床は1〜5mm以上の厚膜仕上げとなり、防塵性に加えて耐久性・耐摩耗性・耐薬品性など、より高い機能性が求められる場所に使用されます。用途や求める性能に応じて、適切な工法を選定することが重要です。

無機系と有機系の違い

塗床は、主成分の違いにより「無機系」と「有機系(合成樹脂系)」に分類され、それぞれの材料特性によって、性能や適した用途が異なります。

無機系 キー
ワード
有機系
火に強い ○ 耐火性 × こげる、燃える
ない × 防水性 ○ ある
少ない ○ 臭気 × ある
弱い × 耐藥品性 ○ 強い
強い ○ 衝撃・
引きずり
× 弱い
リスクが少ない ○ 膨れ × リスク内在
悪い × 発色 ○ 良い
ない × 弾性・伸び ○ ある
変色しない ○ 耐紫外線 × 変色する

※記載内容は一般的な特長であり、製品により性能は異なります。

有機系(合成樹脂系)塗床の特性

合成樹脂には、それぞれ異なる特性があります。
硅砂やガラス繊維クロスなどの補強材を組み合わせることで、機械的・化学的性能を高め、多様な使用環境に対応した塗床を実現します。
合成樹脂系塗床は、施工方法により以下の2種類に分けられます。

厚膜型塗床

コテを使用して施工するタイプで、塗膜厚1mm以上に適しています。基剤と硬化剤を混合し、化学反応によって強固な塗膜を形成します。高い耐久性・耐衝撃性が求められる場所に適しています。

薄膜型塗床

ローラーや刷毛を用いて施工するタイプです。1回あたり約0.1〜0.2kg/㎡を数回に分けて塗布し、性能・コスト・工期のバランスを考慮して、一般的に2〜3回塗りで仕上げます。

合成樹脂の種類 特性 基本特性
エポキシ
樹脂系


ウレタン系に比べ、耐薬品性・耐アルカリ性・機械的性能に優れる
耐候性・低温硬化性(5℃)に弱い
ウレタン
樹脂系
トータルバランスに優れる
アクリル
樹脂系
コストに優れる
施工が簡単

塗床工事の目的

塗床工事の主な目的は、以下の6つになります。

  • 1摩耗腐食からコンクリートを保護する
  • 2発塵を防止する
  • 3耐荷重性を強化する
  • 4作業効率を向上させる
  • 5環境や用途に応じた床をつくる
  • 6美観を高める

それぞれについてご説明します。

1摩耗や腐食からコンクリートを保護する

コンクリートは、歩行や車両・機器の通行による摩耗、酸性薬剤や油脂などに弱い素材です。塗床を施工することで床表面に保護層を形成し、摩耗や薬品による劣化を抑制できます。
工場・倉庫・駐車場・商業施設などでは、コンクリート保護の観点から塗床施工が一般的に行われています。

2発塵を防止する

塗床は、床面から発生する粉塵(発塵)を抑制する効果があります。下地コンクリートが露出している状態では、表面から微細な粉塵が発生し、作業環境や設備に悪影響を及ぼす恐れがあります。

特に食品工場や製薬工場において発塵が発生すると、製品品質の低下や異物混入のリスクが高まり、企業の信頼性にも大きな影響を与えかねません。こうしたリスクを防ぐためにも、塗床による防塵対策は非常に重要な役割を担います。

3耐荷重性を強化する

工場や倉庫、物流センターなど、重量物の搬送や重機の使用が頻繁に行われる現場では、床の耐荷重性が重要になります。塗床工事を行うことで床面の強度が向上し、摩耗や破損を抑制することが可能です。

耐荷重性の向上は、床の耐久年数を延ばすだけでなく、補修や張り替えの頻度を抑え、長期的なコスト削減にもつながります。また、床面の損傷による転倒や事故のリスクを軽減し、安全性の向上にも寄与します。

4作業効率を向上させる

塗床によるエリアの色分けは、作業効率の向上にもつながります。製造工場や倉庫では、作業内容や動線ごとに床色を分けることで、作業員が直感的に状況を把握しやすくなります。結果として作業ミスの防止や生産性向上が期待できます。

5環境や用途に応じた床をつくる

塗床は、使用環境や用途に応じた機能を持たせることが可能です。 例えばクリーンルームでは、帯電防止性や導電性を付与することで、静電気による製品への悪影響を防ぎます。また、厨房や食品加工場では耐熱水性・防水性が求められるなど、現場ごとに最適な床仕様が必要となります。

6美観を高める

塗床施工により、床面を美しく整えることができます。整然とした床は、取引先や工場見学者に良い印象を与え、企業イメージや信頼性の向上にもつながります。

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